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データセンターにおける物理的な脅威に備えるデジタルセキュリティの強化

2026年5月29日
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生成AIの急速な普及に伴い、IT/OT統合インフラ上で稼働する、より大規模で高度なデータセンターが急増しています。この高度な統合環境は悪意ある攻撃者にとって格好の標的となっています。特にセキュリティ対策が十分でないOTプロトコルの脆弱性を悪用し、施設内の重要システムを狙う攻撃が増加しています[1]。こうした状況を受け、事業継続のための基本要件として、堅牢なネットワーク保護の重要性が改めて認識されています。

AIデータセンターのネットワークに堅牢なサイバーセキュリティ基盤を構築するには、セキュア・バイ・デザインのハードウェアを導入し、電力系統や冷却系統にゼロトラストアーキテクチャを組み込むことが重要です。電力メーター、ゲートウェイ、スイッチなど、あらゆる機器を潜在的な侵入口とみなし、ハードウェアレベルで防御する必要があります。

新たな脅威環境への対応

これまでの施設では、システムごとにネットワークが分離されているケースが多く、それによって大半の脅威に対して十分なネットワーク保護が確保されていました。しかし今日のAIデータセンターでは、冷却や電力効率を最適化するためにリアルタイムのテレメトリ(設備の状態データ)が求められ、さまざまなレガシー機器がネットワークに接続されるようになっています。このITとOTシステム間の相互接続により、ModbusやBACnetといったレガシーな産業用プロトコルが、AIによって高度化された新世代のマルウェアにさらされることになります[2]

こうした自律型の脅威は、その挙動や実行手法も変化しています。単にシステムを停止させるものから、防御機能を徐々に弱体化させ、標的を絞って妨害を行うものへと進化しています。例えば、液冷分配ユニット(CDU)の設定値をわずかに変更したり、バックアップ発電機のテレメトリを偽装したりすることで、攻撃者は重要なAIトレーニング実行中に紺ぴゅーとシステムを停止させることができます。事業者にとっての課題は明確です。最新のサイバーセキュリティを考慮して設計されていないレガシー機器が数多く存在するインフラを、どのように保護すればよいのでしょうか?

電力系統にゼロトラストを適用

より高度化する脅威に対応するため、ゼロトラストは主要なセキュリティ原則となっています。すべての機器をデフォルトでは信頼せず、すべてのアクセスを認証・認可する考え方です。施設の電力系統にゼロトラストを適用する場合、PDUとDCIM、UPSとEPMS間で行われるすべての通信を暗号化し、認証する必要があります。しかし、シリアル通信を利用するレガシー機器を扱う場合、これを実現するには大きな課題があります。

セキュア・バイ・デザインのハードウェアは、本来の機能に加えてセキュリティ機能を組み込むことで、この課題を解消します。セキュアターミナルサーバーを使用すれば、TLS 1.2などのセキュアなプロトコルによって脆弱なシリアルデータ通信を暗号化し、レガシー機器をゼロトラスト環境に安全に組み込むことができます。さらに、シリアルポート単位で厳格なアクセス制御を適用することで、認可された管理システムだけが重要な電力インフラに対してコマンドを発行できるようにし、セキュリティ層がもうひとつ加わりさらに強化できます。

エッジでのセキュリティ強化

現代のデータセンターを狙う複雑な脅威に対しては、施設ごとに個別に設計最適化されたセキュリティ対策だけでは十分ではありません。そのため現在、業界では国際的に認められたセキュリティ規格の導入が進んでいます。中でも、IEC 62443は、産業用オートメーションおよび制御システム(IACS)のサイバーセキュリティにおける国際的なベンチマークとされています[3]

データセンター事業者にとって、IEC 62443-4-2認証取得済みのハードウェアを選択することは、以下を含む厳格なセキュリティ要件を満たしていることを意味します。

  • セキュアブート: 認証されたファームウェアのみがデバイス上で実行されることを保証
  • ユーザー認証: 堅牢なパスワード管理と多要素認証(MFA)のサポート
  • ネットワークアクセス制御: 使用していないポートやサービスを無効化し、攻撃対象領域(アタックサーフェス)を最小化

IEC 62443認証取得済みのハードウェアを採用することで、事業者は堅牢で標準化されたセキュリティ環境を構築できます。さらに、ネットワークを個々の防御ゾーンに細分化することで、ミッションクリティカルなサブシステムを保護できます。このようにセグメント化されたアーキテクチャにより、ネットワークへの侵入が冷却システムや電力システムなどの重要コンポーネントにまで影響を及ぼすことを防ぎます。

データに基づく防御を支えるセキュアなエッジテレメトリ

AIがより高度な攻撃の設計に使用される一方で、AIは防御においても強力なツールとなります。しかし、AIを活用したセキュリティプラットフォームの有効性は、エッジから取得するデータの品質に左右されます。攻撃を効果的に検知・対応するには、セキュリティシステムがリアルタイムで高精度かつ信頼性の高いテレメトリにアクセスできることが不可欠です。

高度な接続基盤を構築することで、エッジのセンサーを接続し、集約したテレメトリデータを防御プラットフォームへ送信する「神経網」のような役割を果たします。収集したデータの完全性を確保するため、エッジデバイスから送信されるテレメトリも暗号化することが重要です。これにより、セキュリティシステムの対応メカニズムが常に真正なデータに基づいて動作できるようになります。例えば、センサーが温度の急上昇を報告した場合、そのデータが偽装され、別の場所で発生している攻撃を隠すために利用されたものではないことを、システムは確実に検証できなければなりません。

セキュリティによるレジリエンスの強化

生成AI時代において、データセンターの価値を左右するのは、稼働率(アップタイム)です。AIインフラを狙う脅威が相互接続された物理コンポーネントにまで及ぶ中、セキュリティ戦略もそれに応じて進化しなければなりません。レジリエントなDCIバックボーンを構築するには、最小のセンサーから大規模なスイッチギアに至るまで、すべてのシステムを保護することが重要です。そのためにはセキュア・バイ・デザインのハードウェアと堅牢な認証メカニズムを組み合わせた包括的なセキュリティ対策が求められます。

Moxaがデータセンターのバックボーンセキュリティ強化をどのように支援できるかについて、詳しくは こちらのパンフレットをご覧ください。

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