標準的なイーサネットテクノロジーはTSN(Time-Sensitive Networking)という次のステージへと進化し、決定論的なデータ伝送、より優れた信頼性、より強力なセキュリティが実現されるようになるでしょう。TSNは産業用IoT(IIoT)の未来において中核を成すものですが、そこで気になるのは、このテクノロジーを現実のアプリケーションに実装する準備はいつできるのかということです。理論から実践への移行は、OTとITの完全な融合を実現するパズルの最後のピースとなります。インフラの融合を実現する最初の一歩が踏み出されたのは、2019年に独ニュルンベルクで開かれたSPSエキスポでのことでした。MoxaはCC-Link協会(CLPA)やOPC Foundationに参加する産業界のパートナーと緊密に協力し、TSNに基づく真の自動化アプリケーションを実証してきました。
他の業界企業との緊密な連携
TSNソリューションフレームワークは、業界の主要企業との緊密なコラボレーションの成果であり、真のコンバージドネットワークにおけるクリティカル/非クリティカルなパッケージ伝送をサポートする、統合されたネットワークインフラを提供します。三菱電機との共同デモでは、CC-Link IE TSNデバイスを統合し、高帯域幅、リアルタイム通信、高レベルの決定論とパフォーマンスを必要とするモーション制御タスクといった、さまざまなアプリケーションの利便性を高めた、TSNネットワークインフラの事例を紹介しました。
コンバージドネットワーク上のクリティカル/非クリティカルなパッケージ伝送
より柔軟な産業用ネットワークの管理
またTSNソリューションフレームワークでは、B&R Industrial Automationと協力して、同じネットワーク内に標準化されたOPC UA over TSNを導入しました。この統合により、TSNソリューションフレームワークは、プラグ&プロデュースの柔軟な製造を実現するための基盤を成すコントローラ to コントローラやコントローラ to フィールドデバイスなど、あらゆるレベルの通信において、標準化されたOPC UA over TSNと共に、より柔軟な産業用ネットワークの管理を実現します。
コンバージドネットワーク上のコントローラ to コントローラ伝送およびコントローラ to デバイス伝送
さらに、acontis technologies GmbHが提供するTSNソフトウェアは、このフレームワークにエッジインテリジェンスを組み込むうえで重要な役割を果たしています。TSNソフトウェアはハードウェアからデータを送受信する際のリアルタイム伝送機能をアプリケーション層まで拡張し、エッジデバイスでのインテリジェントかつ決定論的なネットワーキングを実現します。
TSNソフトウェアはTSNソリューションフレームワークにエッジインテリジェンスを組み込む上で重要な役割を果たす
TSN相互運用性テストベッドへの参加
TSNソリューションフレームワークは、産業界の多くの企業とMoxaとの大規模なコラボレーションの成果です。またMoxaは、この技術が市場に投入される前に安定性と信頼性が確保されるよう、世界の特に重要なTSN相互運用性テストベッドに積極的に参加してきました。このフレームワークの導入により、OTとITの融合による完全に統合されに優れたオートメーションネットワークインフラが、単なるコンセプトではなく、今日において既に実現可能なものであることを、Moxaは業界パートナーと共に披露しました。詳細については、Moxaのホワイトペーパーをご覧ください。
また、Moxaのマイクロサイトもご参照ください。